2022年ベストアルバム15枚/生活に馴染んだ音楽

年間ベストアルバム

あ~っという間に年末ですね。
今年は久しぶりに忙しい一年でした。

復活した来日公演のために旧譜を聴きこんだり、初心者ですがギターを買って、ねちねち練習したり、音楽は楽しみながらも、正直去年ほどは新譜を聴きこんでないかもしれない…

ただ一年も経つと、愛着の湧くアルバムも溜まってきて、年間ベストまとめたくなりますね~

もはや年間ベストは年越しの儀式であり、今年の豊作を祝う祭りであり、来年も音楽を愛するための祈りかもしれません…(笑)

実際、まとめると後から聴き返すきっかけになりますし、個人ブログやnoteの年間ベスト記事は商業的じゃない率直な感想やクセもあって面白いんですよね。

ということで、今年は全然ブログ更新できなかった筆雑魚の小生ですが、年間ベストだけでも乗っかります。

今年は忙しかったので、生活の合間にアルバムをコツコツと聴きました。ベストアルバムはこんな観点で15枚を選んでみました。

・個人的に生活に馴染んだ音楽
・ポップな吸引力がある
・前作に対し前向きな変化が楽しめる
・内省的な音色を含む

新譜を聴きこんだ方にはご存じのアルバムが多いかもしれませんが、共感いただいたり、いいよね~!と楽しんでいただければ嬉しいです。

それではどうぞ~

15:Horse Jumper of Love 『Natural Part』

ボストンのインディー・ロック/スロウコアバンドの3thアルバム。前作まではもう少し尖っていた印象でしたが、今作はゆったりとしたスロウコアの基軸にやわらかさも持ち合わせたアルバムになっております。この足取りの重いノスタルジーなギターと、噛み締めるようなテンポが好きですね~。アルバムタイトルにもなっている「The Natural Part」やラストの「Bucket of Gold」が、まさにそんなところが楽しめてお気に入りです。全然派手じゃないし、音楽評論的に目立ちそうもない気もするけど、噛めば噛むほど身体に馴染む良作…!

Natural Part by Horse Jumper of Love
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14:KIKI 『Metamorphisis: Final Stage』

タイ・バンコクのオルタナポップのバンドの1stアルバム。

小気味のいいシンセビートにドリーミーな歌声が交わって、シックで素敵なダンスミュージックになっております。ビールすすりながら気持ちよく踊れますね〜。来日公演もしていて、ふつふつと人気出てきているようです。フェニックスやダフトパンクの影響を受けているようで、確かに彼らの持つテンポ感へのリスペクトととれる部分も多いですね。歌声はかなりドリーミーなので、ドリームポップ好きな方にもささるかもしれないです。『メタモルフォーゼ・ファイナルステージ』という変わったタイトルや、カエルたちの変わったデザインのアートワークも、1stアルバムらしいエネルギーがあふれていて気に入ってます。

Metamorphosis: Final Stage by KIKI
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13:ROTH BART BARON『HOWL』

ROTH BART BARON(ロットバルトバロン)の7thアルバム。5年連続でリリースだそう、すげえ!

“吠える”という意味でHOWLというタイトル。確かにオオカミに遠吠えのように、ここにいるぞと証明する力強さと、共鳴を誘うような気さくな親近感を持つアルバムです。去年の『無限のHAKU』は当時のコロナ禍も連想させる静寂を軸にした作品でしたが、今作『HOWL』には血の通った生命観のようなものを感じますね。派手な曲は少ないですが、アルバムバランスは個人的には前作より好み。(一番好きなアルバムは2020の極彩色の祝祭ですが・・・)ロットは暗喩的でありながらも、リリックや楽曲に社会的メッセージを込めていることも多いアーティストで、11曲目「髑髏と花(дети)」はウクライナの教会で子供たちが空爆された事件からつくった歌のよう。日本はセンシティブだと言って社会的メッセージを楽曲に結び付けないアーティストも多いですが、暗喩的でもメッセージやテーマを持つ楽曲がもっとあっても良いとぼくは思いますね。個人的に8曲目「場所たち」のリリックはお気に入り。居場所を探してさまよう人やSNSへ向けた歌でしょうか。

たくさんの鳥たちに君の体が食い荒らされていくのは見たくないんだ
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"何か確実な確かなもの”が本当に欲しいのかい?”本当に欲しいのかい?"

感情豊かなアルバムで、通勤によく聴きましたね~。演奏スキルも凄まじいので、来年2月のライブも楽しみです・・!

HOWL by ROTH BART BARON
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12:Toro y Moi 『Mahal』

10年代のチルウェイブの代表各ともいえるトロイモアの7thアルバム。サイケデリック・ファンクの快作! 知名度のわりに、意外と今年の年間ベストではあんまり見かけないですが、ぼくは結構好きですね〜。たしかに革新的ではなく、そこまで派手ではない作品ですが、ゆるいファンクの雰囲気と弦楽器のローファイサウンドが日常にめちゃめちゃマッチします。

元々アルバムごとに多くのジャンルを手がけている彼が、今作でも各曲に幅広いエッセンスを散りばめてるおかけで、聴き飽きないアルバム構成になってます。前半はサイケデリックファンクなゆるい感じですが、後半だるませずに「Foreplay」みたいなクールな楽曲だったり、ビートルズを連想するようなポップソング「Déjà Vu」を忍ばせているところはアルバムの底力感じますね。また全体を通したシームレスな曲つなぎもイカす。中毒的なグルーヴィサウンドで日常に溶ける一枚!

MAHAL by Toro y Moi, MAHAL
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11:Big Thief『Dragon New Warm Mountain I Believe in You』

もちろん傑作なんですが、生ライブでこのバンドを観れたことで、さらに音源の聴き方がアップデートされて、もっとこのアルバムが好きになりました。決して余計にうるさくはならず、ストイックに凝縮された音で構成されるバンドサウンド。ドゥルンドゥルン生々しい音がかき鳴らされる弦楽器たち。ジャケットの絵が象徴している通り、やっぱりバンドライブはいいなと思わせてくれる…。

2019年に2枚アルバムを出した後に、コロナ禍になり、ツアーを中断し、メンバーそれぞれソロのアーティスト活動を行なっていた彼らが、20曲80分の創作欲求の塊のような本作をリリースして今年のツアーでリベンジマッチ。ちょっとベタかもしれませんが、ぼくは8曲目「Little Things」のはっとする感じが、このアルバムのアクセントになっていて一番好きですね。でも来日ライブではやりませんでした(涙)そしてもはやライブレポですが、坊主頭にタンクトップでギターをかき鳴らすエイドリアン・レンカー、むちゃカッコいい人でした…。

Dragon New Warm Mountain I Believe In You by Big Thief
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10:Alvvays 『Blue Rev』

トロントのドリームポップバンドAlvvaysの5年ぶりの3rdアルバム。ぼくはアートワークやタイトルと音色の関係を気にする方なんですが、このアルバムはまさに『Blue Rev』というタイトル/カラーを音楽で全うしていますね~!ドリーミーな音の波が、疾走感を持ってぐっと押し寄せてきます。シューゲイザーな音造り+歌うようにうねるギターソロのおかげで、立体感が生まれて、音源でも生で聴いてるような臨場感があるんですよね。初っ端から「Pharmacist」のイントロでもう一気に引き込まれます。

ちなみにぼくは「Velvetenn」が好きで、80sのニューウェイブっぽい所がたまらない。正直、あまり奇抜な音でもなく、目新しいジャンルの音楽ではないけれど、丁寧に作られている作品で、胸がときめくし心が浮き足立ってくるこの心地は、まさに音楽の醍醐味…!!

Blue Rev by Alvvays
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9:Knifeplay『Animal Drowning』

フィラデルフィアのシューゲイザーバンドKnifeplay(ナイフプレイ)の2ndアルバム。シューゲイザーといっても重みのある尖ったサウンドよりも、広がりのある透き通ったドリームポップサウンドが軸になっています。ドリームポップとスロウコアとフォークも融合、めっちゃいいですね~、大好物が集まってます。終始、中性的なヴォーカルには退廃的な雰囲気が漂いつつ、ゆっくりとたたみかけるギターストロークとグッドメロディでツボをついてきました。1曲目「Nobody」から彼らの持ち味が詰まっております。

有休とった日に、ぼーっと何もせずに天井眺めながら聴いていたらめちゃくちゃ沁みました。冒頭三曲で一気に引き込まれますので、シューゲイザー&ドリームポップ好きの未聴の方はぜひ…!それにしてもフィラデルフィアは良いアーティストが多い気がする。

Animal Drowning by Knifeplay
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8:black midi 『Hellfire』

ポップでプログレな踊れる変態音楽。
1st『Schlagenheim』(2019年)のエッジの効いたストイックな爆発力は、ポストパンクを牽引する傑作で、音楽オタクの界隈の中で名を馳せたblack midi。2nd『Cavalcade』(2021年)はうねるように変貌して、緩急のあるプログレッシブな音楽をかき鳴らしておりました。

そして3rd『Hellfire』です。今回ぼくが気に入っているところは、前作までには無かった”音の丸み”がひそんでいて、禍々しさの中にもポップがあるところです。「Welcome To Hell」「Still」なんかはまさにそんな感じ。マーチングのようなリズムにロマンチックなヴォーカル、艶かしいストローク、地獄の業火と言いながらも、たまにミュージカルみたいになるし、なんか楽しいんですよね。踊れます。過去2作よりも音が恐ろしくない。そこが好みに合うかどうかですが、ぼくは結構気に入っていて、この2曲でハマりました。

今年は彼らをライブでも観れたんですが、“ライブ”という概念では、今年観た中でもベストアクトでした…!2019年に京都メトロで観たときよりも曲幅も増えて、演奏力も凄まじく、そしてロマンチックだった。

Hellfire by black midi
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7:Black Country, New Road『Ants From Up There』

1曲目「Intro」から「Chaos Space Marine」へ繋がっていくワクワク感ったらない。冒頭ワクワクするアルバムって大好きで、その意味では、今年ワクワク度NO1アルバムです。そう思っていたら3曲目「Concorde」でしっとりとした情緒あるサウンド。完全に前作とは別の次元の音楽になっている…!とびっくりしました。ポストパンクの攻撃性は和らいで、鍛錬された各パートのドラマチックでポップスな音色が沁みます。また、耳を澄まして後半の落ち着きも楽しむのもいいですね、例えば「Make’sTheme」はなんかは、雰囲気のあるバーで美味いウィスキー呑んでる気分になっちゃいます。副交感神経がどばどば整いそうな楽曲も多々あるのが本作の魅力ですね。

クールなアルバムなだけに、ヴォーカルのアイザックが脱退して、ライブでは聴けない幻のアルバムとなってしまったのは惜しいですが、もともと彼らは一極集中のバンドではなかったし、演奏隊が非常に魅力的なので、フジロックでのライブを観て、このバンドはまだまだ面白くなりそうだな〜!と思いましたね。劇的に変わっていく彼らがこれからどんなふうに音楽をやるのか楽しみです。焦らずじっと待ちます。

Ants From Up There by Black Country, New Road
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6:mathew lee cothran『WORLDWIDE S​É​ANCE/ UNFINISHED MUSIC』

ぼくの密かな激推しアーティストmathew lee cothran(マシュー・リー・コスラン)のアンビエント・テクノアルバム。彼は今までComa CinemaやElvis Depressedlyの名義で、数多のインディーオルタナティヴの良作を生み出しまくっているアーティストです。一発ヒットするよりも、コンスタントにたくさんの良作を書けるアーティストが好きなんですが、まさに彼はその1人。本作は今までPCで作ったデモ音源をもとに、アルバムとしてまとめられた作品。トラックメイカーとしての彼のセンスを再確認しました。歌声もリリックもない儚い音源が、淡々と30曲48分でゆらっとすり抜けていきます。いわゆる今年を代表するベストアルバム、という概念からは少し離れた作品かもしれないですが、根気をもって耳を相当傾けると、みえてくる気持ちよさが確実にあります(笑)

Worldwide Séance/ Unfinished Music by Mathew Lee Cothran
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過去作もいいので気になる方はぜひ!
ちょっとこの人についてはいつか個別でブログ書いてみたいですね。

Mathew Lee Cothran
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5:春ねむり『春火燎原』

Twitterでよくみかけて、聴いてみたらかなりハマってしまった一枚。初めだけ少し?と思いましたが、慣れてきて、とある臨界点を迎えると、中毒性がどっと湧いてくるアルバム。

ポップス、ラップ、エクスペリメンタル、ハードコア、シンセ、そんな要素が混ざりながらも、春ねむりの強いヴォーカルとダイレクトなリリックで一本の芯が通って、力強い作品になってます。ポップス音楽のリズムとは完全に逸脱したポエトリーリーディングや不規則なラップがだんだん癖になってくるんですよね。また、完全に別物ではありますが、王道アイドル楽曲のようなポップス要素もたまに強く感じる部分があって、そこがこのアルバムのいい塩梅を保っているな〜と思います。ある種、野心のようなエネルギーも溢れていて、聴いてる方もパワーか湧いてくる一枚です…!

春火燎原 by HARU NEMURI
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4:The 1975『Being Funny In A Foreign Language』

今や世界的バンドThe 1975の待望の5thアルバム。みなさん、どうでしたでしょう??

最高傑作とは讃えられなくとも、長くファンから愛される一枚なんじゃないでしょうか…!3rdや4thのような実験的な奇抜さはないですが、コンセプトが洗練されていてコンパクトなので、周回して愛聴できるアルバムです。

なんとなく今回のアルバムからは、“音楽評論的な重圧や期待からの解放”も大きいテーマなんじゃないかなと思ったりします。
彼らはいつのまにか世代を担うアーティストになっていて、音楽レビューを世界中からされまくる、もちろん3rd『ABIOR』で爆発した結果があったからこその反応ですけど、音楽史へ爪痕を残すことを期待するメディアに応え続けることは、The1975 の大事とするスタンスとはちょっと違うんだなと思いました。最も重視するとこはそこではないと。

今作、琴線に触れない方もいるかもしれませんが、ぼくはフォークロック好きなのでかなり好みです。強いて言うなら、プロデューサーのジャック・アントノフの色が少し強すぎる気もして、マシュー・ヒーリーならではのフォークロックの表現をもっと体感してみたかったなとかはちょっと思います。

ネチネチ書きましたが、なんにせよ2022年に人気現役UKアーティストの新譜を楽しめるのは良いですね。サマソニも最高でした。どうしても、過度な期待を寄せたくなる彼らの音楽ですが、良い意味で、これからももっとニュートラルに彼らの作品を楽しみたいなと思わせてくれる一枚でした。

Being Funny In A Foreign Language by The 1975
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3:caroline 『caroline』

愛すべき余白を持つ音楽。ロンドンのcaroline (キャロライン)のデビューアルバム。昨今のUKポストパンクとは一線を画して異彩を放っております。8人もメンバーがいるにもかかわらず、音数が少なく厳選されていて、かなり余白のある楽曲構成になっていて、なんといってもそこがクール。静かだからこそ一つ一つの音が主役のように聴こえてくるのがこのバンドの魅力。各パートが慎重に重なってすうっと離れていく、何回かそれを繰り返して次第に高揚し、ベタに盛り上がりきることなく、絶妙にまた離れていく・・・
最高にじれったくて、最高です。

ROTH BART BARONのライブに行った時の待機中SEで流れていて、お!なんかいいな!と思い調べたのがきっかけでした。さすがの選曲。もはや余計な説明すらも野暮になってしまうような世界観のあるアルバムで、無心に音の波に揺られるように聴いています。淡々と流れる彼らのミニマルなフォークサウンドは、休日の朝にコーヒーをのみながら聴くと最高ですよ…。ぜひ溺れましょう。

caroline by caroline
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2:Cwondo『Coloriyo』

No Busesフロントマン近藤大彗のソロプロジェクト、Cwondoの3rdアルバムです。CwondoもNoBusesも全然知らなかったんですが、今作を初めて聴いてドハマりしました。今年の日本人アーティストで一番聴いたアルバムで、ギター・ビート・シンセを軸にした中毒性のあるトラックがそろっています。ローファイなギターの音色や美しいピアノと、キックが交錯するところなんかはたまりません。

終盤「Hanatare」~「Pompoko」あたりのアンビエント要素のあるのトラックも気に入っていて、何回も聴きたくなってしまう。ガレージロックのNo Busesとはかなり違う音楽性で、正直、個人的にはCwondoの音楽の方がだいぶ好みですね。先日、名古屋の大須でライブ観に行く予定だったんですが、急な仕事のせいで行けず・・。次の機会は必ず観てみたい、いまひっそり気に入っているアーティスト。

通勤や散歩でもたくさん聴きましたが、さりげなく生活に彩りを添えてくれる音楽でした。

Coloriyo by Cwondo
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1:Alex G 『God Save the Animals』

最高に切ない。まさに今年聴きたかったインディー・オルタナティブ
今までの彼の作品ともひと味違う傑作です。ミニマルな旋律に慎重にこだわりぬかれた音色だけが足し込まれた音楽で、丁寧に良い音楽を伝えたいという創作欲求のほとばしりが伝わってきます。丁寧だ・・・。前作 『House of sugar』のエレクトロとフォークの融合したサウンドとは、また大きく個性が変わっています。今回は彼が得意とするヴォーカルサウンド加工を一部使わずに、生の歌声や低い声域の歌声を取り入れているところは特徴ですね。例えば「Runner」は、今までの曲よりも低い声域でのびのびと歌っています。

テクニカルなサウンドプロダクトよりも、純度の高い素朴な音のポップさ、生声・低音の親近感を多く取り入れて、このアルバムの色が作られています。個人的には今までのアルバムで一番、周回して聴きやすいと思いました。曲のそれぞれに個性があって、全然聴き疲れしないんですよね~。正直、先行シングルBlessingが単体としては少し変わった曲だったので、新作どうなるんだろう・・・?と期待とともに不安もありましたが、この実験性の高い曲もアルバムのスパイスとしてばっちりハマってますね~!いい意味で裏切られました。

いままで基本一人自宅で音楽を作ってきたAlex Gですが、今回はレコーディングで複数のスタジオで収録するなど、環境面でも変化の刺激をもとめて作成に臨んだようです。初期の魅力を残しながらも変革し続ける姿勢は素敵ですね。

ちなみにぼくのお気に入りは6曲目「Ain’t It Easy」仕事終わりに聴くと泣きそうになります。胸がしめつけられます。たまりません。

God Save The Animals by Alex G
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いかがでしたでしょうか?
共感いただけたり、気になる音源が見つかった方がいれば嬉しいです…!

今年は全体的に、作品に変化をとりいれたアーティストが多かったのかなと思います。3年間も停止期間があった世界がやっと動き出した影響は少なからず感じます。でも変化といっても、なりゆき任せのものじゃなく、迷いながら試行錯誤した、意思のある変化って感じです。

”意志を持った勇気ある変化”って素敵ですね…
ボウイもそういっていますしね。
見習わなくては。

せわしなく、ときに憂鬱も交えながら、今年もぐるぐると生活が回っておりましたが、音楽を楽しんでるとなんか人生もありだな~と思えますので、今年も音楽に感謝です。

アーティストたちよ…
2022年もありがとう…

そして振り返るのも音楽の醍醐味。年末年始は去年のベストアルバムや好きな旧譜もゆっくり聴き返そうかなと思います。
来年はギター上達がんばるぞ~

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